ネコが夢中になる「マタタビ」ってなに!?

◆ネコが夢中になるマタタビとは
ネコの大好きなものとして、代表的なものが「マタタビ」です。「爪とぎやおもちゃ」等、様々なネコのグッズに「マタタビ入」と記載されているものがあります。実際にネコにマタタビが含まれたものを与えると、「身体をスリスリとこすりつけたり」、「喉をゴロゴロと鳴らして嬉しそうな仕草」をします。
そもそも、マタタビとは一体何なのでしょうか。ネコがつい夢中になってしまう、マタタビという植物についてご説明いたします!
◆「マタタビ」ってどんなもの?
つるになって木に絡みつく植物で、6月から7月にかけて白い花を咲かせます。花が咲く時期になると「葉っぱが半分ほど白くなる」ことから、「夏梅」とも呼ばれています。
人間にも身近な漢方薬として昔から使われてきました。毒素があるような植物ではなく、漢方薬では煎じて利尿薬や血行促進のために使われたり、強壮作用、つまりは元気の源として、民間治療で使われてきたものです。しかも花は、おひたしで食べたり、山菜としてわりとポピュラーな食材としても有名です。「マタタビ」の名前の由来は、アイヌ語の「マタタムブ」に由来しているという説が有力です。「マタ」は「冬」、「タムブ」は「カメの甲」もしくは「手土産」の意味があります。
その他には、「疲れた旅人がまたたびの実を食べたところ、再び旅を続けることが出来るようになったことから、「復旅(またたび)」と名付けられたという説もあります。人間にはちょうど良い活力剤でもネコは若干効きすぎる場合があるので、その辺が少しだけ注意するところですね。
ちなみに、キウイフルーツもマタタビ科です。マタタビの有効成分は
「粉末」<「液体」<「実」<「枝」<「葉」の順に
効果が強いとされており、生後数日~数週間の赤ちゃんはあまり反応しないとされています。成猫についても、耳かき半分以下の少量で十分です。
◆なぜネコは「マタタビ」で喜ぶの?
マタタビに含まれている「マタタビラクトン」と「アクチニジン」という成分が、ネコの中枢神経を麻痺させ興奮状態になります。この2つの成分のほかにネコのよだれを促進する「β-フェニルエチンアルコール」という成分も含まれています。これらが、マタタビがネコを興奮させる原因になっているようなんです。
ネコにとってマタタビとは人間にとってお酒のようなもので、マタタビから出るフェロモンによりネコが興奮状態になります。お酒と異なる点として、マタタビによる興奮状態は「性的に興奮した状態」という点です。そのため、オスネコであれば特にマタタビは効果的だといわれています。少量のマタタビを猫に与えた場合には、性的に興奮した状態まではいかずにリラックスして心地よい状態になります。ネコは人間でいうところの「ほろ酔い」状態になり、気分が良くなります。そのため、ネコにマタタビを与えると、喉を鳴らして気持ちよさそうにしていることが多いのです。
また、マタタビに依存性はないため後遺症のような心配は少ないです。
◆「マタタビ」はどんな時に与えればよいの?
マタタビはごく少量でもネコが興奮状態になります。そのため、ネコにマタタビを与える際は0.3g程度で十分です。またたびを初めて与える場合は、「粉末状のタイプ」を少し嗅がせる程度から始めるようにします。成ネコであっても、耳かき半分以下の量で十分です。食べ物ではないので大量に与えたりキャットフードに混ぜて与えたりすると、呼吸困難や心停止を引き起こすこともあるみたいなので注意が必要です。ネコのおもちゃ等に付属しているマタタビはほとんどが粉末状ですが、ネコには十分効果的ですので問題はありません。
マタタビを与えるタイミングとしては、
- 「食欲が落ちてきた時」
- 「爪とぎ場所のしつけ」
- 「遊ぶ時」
- 「ストレスを抱えている時」
などがおすすめです。毎日ではなく1週間に2~3回ほどの使用に抑えた方が無難です。
マタタビは適量をうまく使用することで「爪とぎの場所を教える際のしつけ」や、おもちゃにマタタビの粉末をふりかけて、「おもちゃでネコと一緒に遊んだりするコミュニケーションの道具」になります。マタタビは適量を効果的な使用をすることで、ネコに悪影響を与えることはほとんどありません。人間のタバコやお酒のように依存性がありません。
「ネコの食欲がないとき」や「ストレスが溜まっていそうなとき」にマタタビを効果的に使用すると良いでしょう。
◆ネコに「マタタビ」を与える際の注意点は?
またたびには中枢神経を麻痺させる作用があり、麻痺の度合いが強すぎると呼吸ができなくなってしまう可能性があります。与え過ぎると、最悪の場合「愛猫の死を招く」というリスクがあることを理解しておくことが大切です。人間に強い酒をどんどんと飲ませてはいけないように、ネコにも適度なマタタビ量があります。
また、お酒とは異なり、何歳になったら与えても良い、というような年齢制限はありませんが、成猫と子ネコは体の大きさが異なるため、同量のマタタビを与えても効果が変わってきます。
◆さいごに
ネコにマタタビを与えることは少量であれば全く問題は無いようです。しかし、与える量によっては危険だということを覚えておいたほうが良さそうです。同様に、閉まっているマタタビのフェロモンからネコがマタタビを探し出してしまう可能性もあるため、マタタビを保管する場合には絶対にネコの手が届かない場所に保管しなければなりません。またたびの効果には個体差があるので、
- 最初に与えるときは「少なすぎるくらいの量」から試す
- おねだりされても大量に与えない
またたびは快感を引き起こすものでしかないため、常用すると我慢や警戒心などは薄れていってしまいます。与える際にはネコのことを考えて、みなさまが徹底管理してあげてください。
マタタビを与えることで、およそ「8割のネコがリラックス状態になる」といわれています。マタタビは、元気が出たり、リラックス効果があったり、しつけにも使用できる万能な植物です。
マタタビは毎日与える必要はありません。あくまでネコにとっての「嗜好品」という位置づけです。それを忘れずに、効果的にマタタビを使用し、ネコとの生活をより豊かなものにしていきましょう!
またマタタビ以外にも猫のフェイシャルフェロモン化合物のスプレーも商品化されており、スプレーをするとリラックス効果があると言われています。使いやすいものを良いタイミングで使用し、ネコちゃんをリラックスさせてあげると良いですね。